『本当の話』 ソフィ・カル

本当の話作者: ソフィカル,Sophie Calle,野崎歓出版社/メーカー: 平凡社発売日: 1999/10/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 14回この商品を含むブログ (20件) を見る ソフィ・カルのことを目にする度に、ずっと前から知ってるような気がしてもやもやし…

『戦争詩論 1910-1945』 瀬尾育生

戦争詩論作者: 瀬尾育生出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2006/07/19メディア: 単行本この商品を含むブログ (8件) を見る 大逆事件による国内における体制/反体制への分解。 韓国併合によって国民国家として発展してきた日本がその国民的な統合の枠を超えてあ…

寡黙な死骸 みだらな弔い (中公文庫)作者: 小川洋子出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2003/03/01メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 22回この商品を含むブログ (92件) を見る沈黙博物館 (ちくま文庫)作者: 小川洋子出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 20…

二匹 (河出文庫)作者: 鹿島田真希出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2005/12/03メディア: 文庫 クリック: 10回この商品を含むブログ (21件) を見る 裏表紙にあるっていう言葉はとても興味深い。春ならざる青春を生きる純一と明。純一は狂犬病>に感染して…

『ジョン・ケージの音楽』 ポール・グリフィス

ジョン・ケージの音楽作者: ポールグリフィス,Paul Griffiths,堀内宏公出版社/メーカー: 青土社発売日: 2003/06/01メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (6件) を見るケージ:プリペアド・ピアノのためのソナタとインターリュードアーティスト…

 小学生の作文

「正しい戦争」は本当にあるのか作者: 藤原帰一出版社/メーカー: ロッキング・オン発売日: 2003/12/03メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 47回この商品を含むブログ (48件) を見る 戦争を違法化することによって、戦争を起こした集団・国家に対して制裁を…

『ジェローム神父』 サド

ジェローム神父 (ホラー・ドラコニア少女小説集成)作者: マルキ・ドサド,会田誠,Donatien Alphonse Francois de Sade,渋沢龍彦出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2003/09/01メディア: 単行本 クリック: 62回この商品を含むブログ (40件) を見る すると容易に理…

『新・建築入門』、『反オブジェクト 建築を溶かし、砕く』 隈研吾

以前に書いた飯島洋一の単純に建てるでもなく、ニヒリスティックに建てないでもなく、という、言うだけなら簡単な問題に対して建築家の側で何かやっているのが隈研吾なんじゃないかと思う。 僕は今年で大学4年生になり(なってしまい)単位もあらかた取り尽し…

『大括弧 緩やかにみつめるためにいつまでも佇む、装置』 中西夏之

大括弧―緩やかにみつめるためにいつまでも佇む、装置作者: 中西夏之出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1989/04メディア: 単行本 クリック: 52回この商品を含むブログ (2件) を見る 就職活動のセミナーではポーズだけでも、と一番前の席で講演者の目を見てい…

『現代建築・テロ以前/以後』 飯島洋一

現代建築・テロ以前/以後作者: 飯島洋一出版社/メーカー: 青土社発売日: 2002/08/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 5回この商品を含むブログ (5件) を見る 相変わらず反映論的な色彩は濃いものの、磯崎新への批判を通底音として響かせながら現代建築を…

『平坦な戦場でぼくらが生き延びること』 椹木野衣

平坦な戦場でぼくらが生き延びること―岡崎京子論作者: 椹木野衣出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2000/12メディア: 単行本 クリック: 5回この商品を含むブログ (23件) を見る 僕はどうも椹木野衣の文章が好きになれない。「さわらぎのい」が変換しにくいと…

『鉄鼠の檻(1)〜(4)』 京極夏彦

分冊文庫版 鉄鼠の檻(一) (講談社文庫)作者: 京極夏彦出版社/メーカー: 講談社発売日: 2005/10/14メディア: 文庫 クリック: 6回この商品を含むブログ (22件) を見る 今回の舞台は明慧寺という禅宗の寺で、当該寺並び近くの旅館において僧侶連続殺人事件が起…

『デモクラシーの帝国』 藤原帰一、他1冊

アメリカを「帝国」として捉えた本、だけどその帝国ってのはネガティブな意味ではなくて著者はなるべくその言葉に対するイメージを漂白した意味で使おうとしている。具体的には一方的抑止、内政と外交の連続、軍の警察化の3点が帝国を定義する要素とされてい…

『国家とはなにか』 萱野稔人

『国家とはなにか』作者: 萱野稔人出版社/メーカー: 以文社発売日: 2005/06/17メディア: 単行本購入: 12人 クリック: 142回この商品を含むブログ (118件) を見る タイトルのとおり「国家とはなにか」について論じた本。「暴力」がキーワードになっている。ベ…

『ギロチン 死と革命のフォークロア』 ダニエル・ジェルールド

ギロチン―死と革命のフォークロア作者: ダニエルジェルールド,Daniel Gerould,金沢智出版社/メーカー: 青弓社発売日: 1997/05メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (1件) を見る ギロチンが文化に対して及ぼした影響を小説、演劇、アート、(…

『未来都市の考古学』 鵜沢隆:監修

1996年に東京都現代美術館他で開かれた同名展のカタログ。 「実在しない「未完の都市」という壮大な実験場の集合の中で、それぞれの時代の都市の現実は逆照射され、都市への「願望」が結晶化する。展覧会のタイトルにある「未来都市」という言葉には、そうし…

『Aクラス麻雀』 阿佐田哲也

ブックオフで100円だったから買ってみたんだけど、途中でびっくりするような文章があった。麻雀をやらない人にはわかりづらいかもしれないんだけど、阿佐田哲也は麻雀の手作りとは「手役作りが手作りじゃない。手作りとは、自分のところへ来た牌全部の可能性…

「村上春樹の「風景」」(『終焉をめぐって』所収) 柄谷行人

終焉をめぐって (講談社学術文庫)作者: 柄谷行人出版社/メーカー: 講談社発売日: 1995/06/05メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 2回この商品を含むブログ (11件) を見る ロマン的なイロニーは全てを醒めた視線で見つめることで自らの優位を確保する。『1973…

「課長 島雅彦」 阿部和重、「愛情省」 見沢知廉

『新潮』11月号より。ちょっとした時間ができたので大学の図書館で読んだもの。 「課長 島雅彦」 阿部和重 わずか4ページの掌編ではあるんだけど、文具メーカーの社内報連載コラムを書くことになった「課長」の思考が流れ出るように語られる様と、さらにはそ…

「Where "I Don't know" is the RIght Answer」 Jonathan Watkins

On Kawara (Contemporary Artists)作者: Jonathan Watkins出版社/メーカー: Phaidon Press発売日: 2002/10/18メディア: ペーパーバック クリック: 11回この商品を含むブログ (2件) を見る 河原温のデイト・ペインティングは日付が漂白されて提示され(続け)て…

『法の力』 J・デリダ、『攻撃と殺人の精神分析』 片山珠美

法の力 (叢書・ウニベルシタス)作者: ジャックデリダ,Jacques Derrida,堅田研一出版社/メーカー: 法政大学出版局発売日: 1999/12メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 30回この商品を含むブログ (51件) を見る 法や権利を脱構築することは可能であるが、「正…

『パラケルススの薔薇』 J・L・ボルヘス

今度はReading Batonらしいです、id:jasperさんはじめまして、がんばって答えます。 お気に入りのテキストサイト(ブログ) アンテナに入れているところかなあ、あんまりアンテナにぽんぽん登録するわけではないので。 今読んでいる本 パラケルススの薔薇 (…

『奇想の系譜』 辻惟雄

奇想の系譜 (ちくま学芸文庫)作者: 辻惟雄出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2004/09/09メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 82回この商品を含むブログ (107件) を見る 本当に面白い本だった、久しぶりに誰にでもオススメできる。岩佐又兵衛、狩野山雪、伊藤…

『虚無への供物』 中井英夫

虚無への供物 (講談社文庫)作者: 中井英夫出版社/メーカー: 講談社発売日: 1974/03メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 238回この商品を含むブログ (95件) を見る ミステリなので、一応。具体的なことを書いてるわけではないんだけど、気になる人は読んでから…

『中核vs革マル』 立花隆、『人間失格』 太宰治、「最後の変身」 平野啓一郎

風邪気味だったので軽く読めそうな本をブックオフの100円コーナーから文芸誌を含む3冊を見繕って購入、そして引きこもる。『人間失格』はイジメに関わる小説だった気がしたんだけど…それはドラマだったね。『中核vs革マル』はこの問題に関する教科書としてす…

『戦後の思想空間』 大澤真幸、『過防備都市』 五十嵐太郎

戦後の思想空間 (ちくま新書)作者: 大澤真幸出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1998/07メディア: 新書購入: 3人 クリック: 29回この商品を含むブログ (76件) を見る アメリカという超越的な他者がいなくなった現在の問題=空虚をどのようにして引き受けるかと…

『Little Boy: The Arts Of Japan's Exploding Subculture』 Takashi Murakami

Little Boy: The Arts Of Japan's Exploding Subculture作者: Takashi Murakami出版社/メーカー: Yale Univ Pr発売日: 2005/04/30メディア: ハードカバー クリック: 28回この商品を含むブログ (24件) を見る 原爆によるトラウマというものを仮定した上で日本…

「13」 西岡智

少年文芸〈2005年初夏創刊号〉出版社/メーカー: 新風舎発売日: 2005/04メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (39件) を見る 少年文芸はとりあえずお目当ての西岡智「13」と五十嵐大介「ダンコンダラスコ」「よかったね雨男」を読んだ。建築評…

『嗤う日本の「ナショナリズム」』 北田暁大、『現実の向こう』 大澤真幸、他1冊

北田暁大『嗤う日本の「ナショナリズム」 (NHKブックス)』は思いのほかに痛い本だった。痛いというのは、自分のしている繋がり方がこうもまあ型通りなものなのか、と思い知らされたという意味で。大澤真幸『現実の向こう』はアメリカとオウム真理教を「他者…

『Vous etes ici』 Mathieu Bernard-Reymond

http://www.amazon.fr/exec/obidos/ASIN/2742744967/qid%3D1115445443/402-0487403-8847348 http://www.monsieurmathieu.com/ amazon.frでしか見つからないので一応そのアドレス(上のがそれ、アクサン記号が化けたりするかも)を乗っけておくことにする。本の…