『ジェローム神父』 サド
- 作者: マルキ・ドサド,会田誠,Donatien Alphonse Francois de Sade,渋沢龍彦
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2003/09/01
- メディア: 単行本
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すると容易に理解されることは、あらゆる社会のうちでいちばん幸福な社会は、必然的にいちばん腐敗した社会にちがいあるまい、ということだ。
このセリフを吐いた修道院長クリソストムの自らの快楽の源泉に対する無自覚さはほとんど犯罪的だろう。あとがきで澁澤龍彦も引用している「エロティシズムとは禁止に対する侵犯の歓びである」という(少なくとも僕の経験的に正しい)ことに全く無自覚だ。