2005-01-01から1年間の記事一覧

『鉄鼠の檻(1)〜(4)』 京極夏彦

分冊文庫版 鉄鼠の檻(一) (講談社文庫)作者: 京極夏彦出版社/メーカー: 講談社発売日: 2005/10/14メディア: 文庫 クリック: 6回この商品を含むブログ (22件) を見る 今回の舞台は明慧寺という禅宗の寺で、当該寺並び近くの旅館において僧侶連続殺人事件が起…

酒国―特捜検事丁鈎児の冒険作者: 莫言,藤井省三出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1996/10/25メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 27回この商品を含むブログ (13件) を見る 探偵が酒国市でおきた食人事件を探る物語、作者莫言と酒国市の文学者の往復書簡、…

『大阪人の皮膚・東京人の仮面』

最近、電車の中とかで関西弁を喋ってる人間がいると苛立ちを覚える自分に気づいた。大阪生まれ大阪育ちの僕は大阪では関西弁を喋るけど、東京にいるときは標準語を喋ってる。「大阪人の中の東京人」、標準語を流暢に操る関西人エリートとして、僕は先に書い…

ソラニン 1 (ヤングサンデーコミックス)作者: 浅野いにお出版社/メーカー: 小学館発売日: 2005/12/05メディア: コミック購入: 21人 クリック: 383回この商品を含むブログ (748件) を見る 待ちに待ったというと少し大げさすぎるけど、まあ楽しみにしていた浅…

就職活動

三菱東京UFJ銀行からダイレクトメールが届いたんだけど、他社のDMとは一風変わって絵本が入っているだけというよくわからないものだった。ちょっとビックリしちゃった。最初の方はDM全部捨ててたんだけど最近は興味ある企業からのも増えてきたからちょくちょ…

『デモクラシーの帝国』 藤原帰一、他1冊

アメリカを「帝国」として捉えた本、だけどその帝国ってのはネガティブな意味ではなくて著者はなるべくその言葉に対するイメージを漂白した意味で使おうとしている。具体的には一方的抑止、内政と外交の連続、軍の警察化の3点が帝国を定義する要素とされてい…

血と薔薇コレクション 1 (河出文庫)作者: 澁澤龍彦出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2005/10/05メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 17回この商品を含むブログ (26件) を見る血と薔薇コレクション 1 (河出文庫)作者: 澁澤龍彦出版社/メーカー: 河出書房…

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建築零年作者: 鈴木了二出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2001/12メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 6回この商品を含むブログ (9件) を見るスクウォッター―建築×本×アート作者: 大島哲蔵出版社/メーカー: 学芸出版社発売日: 2003/06メディア: 単行本購入…

三田祭期間中ということでここ1,2週間はのんべんだらりと過ごしている。最近はクイズマジックアカデミーというゲームにはまってしまって、毎日2,3時間はゲームセンターでクイズを解いているというなんだかよくわからない生活。まあ簡単に言えばクイズを解…

『国家とはなにか』 萱野稔人

『国家とはなにか』作者: 萱野稔人出版社/メーカー: 以文社発売日: 2005/06/17メディア: 単行本購入: 12人 クリック: 142回この商品を含むブログ (118件) を見る タイトルのとおり「国家とはなにか」について論じた本。「暴力」がキーワードになっている。ベ…

『ギロチン 死と革命のフォークロア』 ダニエル・ジェルールド

ギロチン―死と革命のフォークロア作者: ダニエルジェルールド,Daniel Gerould,金沢智出版社/メーカー: 青弓社発売日: 1997/05メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (1件) を見る ギロチンが文化に対して及ぼした影響を小説、演劇、アート、(…

『未来都市の考古学』 鵜沢隆:監修

1996年に東京都現代美術館他で開かれた同名展のカタログ。 「実在しない「未完の都市」という壮大な実験場の集合の中で、それぞれの時代の都市の現実は逆照射され、都市への「願望」が結晶化する。展覧会のタイトルにある「未来都市」という言葉には、そうし…

『Aクラス麻雀』 阿佐田哲也

ブックオフで100円だったから買ってみたんだけど、途中でびっくりするような文章があった。麻雀をやらない人にはわかりづらいかもしれないんだけど、阿佐田哲也は麻雀の手作りとは「手役作りが手作りじゃない。手作りとは、自分のところへ来た牌全部の可能性…

「ドイツ写真の現在―かわりゆく「現実」と向かいあうために」

時間が出来たので「ドイツ写真の現在―かわりゆく「現実」と向かいあうために」に行ってきた。 ハンス=クリスティアン・シンクの「ドイツ統一交通プロジェクト」がとてもよかった。シンクもそうだし、あとアンドレアス・グルスキーもそうだけど、大判のプリン…

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美学の逆説 (ちくま学芸文庫)作者: 谷川渥出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2003/12メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 44回この商品を含むブログ (14件) を見る隠された十字架―法隆寺論 (新潮文庫)作者: 梅原猛出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1981/04/28…

「村上春樹の「風景」」(『終焉をめぐって』所収) 柄谷行人

終焉をめぐって (講談社学術文庫)作者: 柄谷行人出版社/メーカー: 講談社発売日: 1995/06/05メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 2回この商品を含むブログ (11件) を見る ロマン的なイロニーは全てを醒めた視線で見つめることで自らの優位を確保する。『1973…

おもしれー

蒼天航路(34) (モーニング KC)作者: 王欣太,李學仁出版社/メーカー: 講談社発売日: 2005/07/22メディア: コミック クリック: 3回この商品を含むブログ (52件) を見る 『蒼天航路』は文句なしに面白い。僕は小学生のときに親から買い与えられた吉川三国志で…

「課長 島雅彦」 阿部和重、「愛情省」 見沢知廉

『新潮』11月号より。ちょっとした時間ができたので大学の図書館で読んだもの。 「課長 島雅彦」 阿部和重 わずか4ページの掌編ではあるんだけど、文具メーカーの社内報連載コラムを書くことになった「課長」の思考が流れ出るように語られる様と、さらにはそ…

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菅原教夫『ボイスから始まる』 多木浩二『シジフォスの笑い アンセルム・キーファーの芸術』 とりあえず図書館に返却するのを忘れていたので返却しましょうね、というメモ。キーファーの方はボイスとは異なっていて、芸術家の才能を特権化している。その芸術…

「Where "I Don't know" is the RIght Answer」 Jonathan Watkins

On Kawara (Contemporary Artists)作者: Jonathan Watkins出版社/メーカー: Phaidon Press発売日: 2002/10/18メディア: ペーパーバック クリック: 11回この商品を含むブログ (2件) を見る 河原温のデイト・ペインティングは日付が漂白されて提示され(続け)て…

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Points of View - 視線の変遷 - 野又穫作品集作者: 野又穫出版社/メーカー: 東京書籍発売日: 2004/02メディア: 大型本購入: 2人 クリック: 21回この商品を含むブログ (13件) を見る 最近の作品になると建築物というより構造物のような感じになってきてるけど…

総括

夏休みの総括というかまとめをしておこうと思う。今年の夏休みは結構色んな所へ行けてよかった。 バ ング ント展 「消失」に覆われた展示会場。「死亡した人間が所有し続ける車について」はその観念的な不気味さもさることながら、車体の中心が消失している…

なんとかかんとかバトン

中田さんからまわってきたから答えるよ、バトンにはちょっと食傷気味だったけどこれはいい自己紹介になるんじゃないかと思ったので。 現在、恋人または好きな人いますか? 恋人はいません。 好きな人は女の子なら4,5人いる。 今まで一目惚れをした事ありま…

「鋼の錬金術師 シャンバラを征く者」

『鋼の錬金術師』を僕に教えてくれたid:amnさんと台風が接近する中見に行ってきました。 正直、クオリティがとんでもなく高い作品だった。単なるアニメ作品の劇場版だと思って舐めてた(僕たちが想像していたのは本編とはまったく関わりがなくストーリーが展…

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磯崎新『建築の解体』と飯島洋一『終末的建築症候群』、どちらも建築家の紹介ではあるけど『建築の解体』の方はホライン、アーキグラム、ヴェンチューリみたいなメジャー所(まあメジャーにしたのがこの本だとも言えるんだろうけど)が揃えてある一方で『終末…

ガンダム展

サントリーミュージアムにガンダム展を見に行ってきた。小谷元彦のグロテスクでかっちょいー作品や、会田誠の戦争画RETURNS番外編もよかったけど、今回のメイン(になってしまったの)はニュータイプテクノロジー ラボ(フラナガン機関内)のニュータイプ適正検…

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アート:“芸術”が終わった後の“アート” (カルチャー・スタディーズ)作者: 松井みどり出版社/メーカー: 朝日出版社発売日: 2002/02/01メディア: 単行本購入: 8人 クリック: 240回この商品を含むブログ (83件) を見るコンセプチュアル・アート (岩波 世界の美術…

『法の力』

法の他者 (叢書・アレテイア)作者: 関良徳,菅富美枝,橋本祐子,堅田研一,慎改康之,仲正昌樹出版社/メーカー: 御茶の水書房発売日: 2004/05メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (2件) を見る ちょっと長くなるけど、『法の力』を読んだときに…

ドラえもん プラス 2 (てんとう虫コミックス)作者: 藤子・F・不二雄出版社/メーカー: 小学館発売日: 2005/07/20メディア: コミック クリック: 8回この商品を含むブログ (28件) を見る 大学生?のジャイアンが登場するのが見所。ジャイアンが大学に行くような…

『法の力』 J・デリダ、『攻撃と殺人の精神分析』 片山珠美

法の力 (叢書・ウニベルシタス)作者: ジャックデリダ,Jacques Derrida,堅田研一出版社/メーカー: 法政大学出版局発売日: 1999/12メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 30回この商品を含むブログ (51件) を見る 法や権利を脱構築することは可能であるが、「正…