ジャスパー"吉田"ジョーンズ

 実家に帰ってきてます。部屋を片付けていたときに出てきたのがこれ。

 小学校の図工の授業で作った、セロハンテープを使うためのアレ。皆が怪獣だとかなんだとかを題材にする中で一人、平面である算数の教科書の「めあて」のマークをそのままオブジェ化したもの、教師からは「マジメにやりなさい」と怒られた記憶がある。なんでこんな変なものを題材にしたのかというと、確かネタを探して教科書を開いたらこれが眼に入ったから…。ではない、断じてない。
 まだ中学受験戦争が過熱しているとは言い難い状況ではあったものの、来るべき受験大戦への緊張感は潜在的に我々の教室の中にも張り詰めており、そのような不安定な我々の状態に付け込み、算数の授業において「めあて」記号は専制的な力を奮っていた。専制、とは言っても可視的な形態をとったそれではなく、我々は身体的なレベルでその記号に反応するように教育されており、不可視の、そして無意識への専制だったというべきだろう。そのような状況に違和感を感じ続けていた僕は、このような記号の作用を笑いとばし、脱臼させるためにこの様な試みを行ったんだけど、僕のささやかな反抗に対する「システム」のしっぺ返しは痛烈なものだった。その学期、僕の図工の成績は「1」だった。

 「システム」…?