おもしれー

蒼天航路(34) (モーニング KC)

蒼天航路(34) (モーニング KC)

 『蒼天航路』は文句なしに面白い。僕は小学生のときに親から買い与えられた吉川三国志三国志にハマったんだけど、そのイメージが頭の中で固定観念になってるから、このマンガみたいに新しい見せ方をされるとそのギャップが面白い。于禁の降伏シーン1つとっても、于禁ちょっとかっこいいもんな。張昭の小言キャラとかもすごくいい味が出てる、『銀河英雄伝説』のムライみたい。『三国志』をここまで現代風のマンガにアレンジできるなんていうのは本当にすごい。荀イク死んだとき泣いちゃったよ…。
隠された十字架―法隆寺論 (新潮文庫)

隠された十字架―法隆寺論 (新潮文庫)

 梅原猛のこれとそれにインスパイアされた山岸涼子のマンガを読んだときにも思ったけど、学校で習う歴史っていうのはとても一面的だ。三国志(これは学校教育じゃないけどいわゆる名著を最初に読んだ)にしても聖徳太子にしても、最初に刷り込まれたイメージというものがすごく強い、というかそれ以外の考え方ができなくなってる。『蒼天航路』は別にアカデミックなものじゃないから解釈の違いを提示しているってことになるんだろうけど、『隠された十字架』なんかは固定観念を覆す証明だもんなあ。