『異人その他―他十二篇』 岡正雄、大林太良
- 作者: 岡正雄
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1994/11/16
- メディア: 文庫
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古代の経済史についても、それまで鑑みられてこなかったフォークロアに注目して、椀貸伝説とかアイヌの口承だとか無言交易を引き合いに出しつつ、最終的には「異人」に対する畏怖の念が、椀貸伝説やアイヌの口承における老婆だとか天狗だとかコロボックル、無言交易におけるその特殊な形式、また秘密結社の儀式などによって儀礼的、フォークロア的に表象されていることを引き出す。古代経済史についても…とか言って結論が古代経済史には直接はまだ結びつかないよね。まあ序説の草案みたいだからそんなものなのか。話自体はアイヌからポリネシアの秘密結社にまで広がっていて面白いと言えるのだけど、「異人」というベースを意識して読めばこの広がりの中にある原理を見ることが出来る。異人だとか境界だとかの話がとても、好きです。