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- 作者: いくえみ綾
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2001/12
- メディア: コミック
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このマンガは今まで読んだいくえみ作品の中でも一番面白かったかもしれない。主人公(本当に普通の女の子)の凡庸さと、久しぶりにあった女友達の特別さの対比、男女間だと「好き」だとかそういう言葉に解消できるもの(解消してしまうもの)が解消されないために生じる葛藤なんかをとても上手に描いていると思う。まあ、男女間の才能さによる葛藤も描かれていないわけではないけど、それは本質ではないと言い切ってしまっていい(最終的な問題にはなっていないから)。魚喃キリコはそういう葛藤を『blue』で美しく描いていたけど、いくえみ綾はそれをもっとはっきりと描いているなあと思う。
自分は必要とされていない、という感覚は僕にもすごくあって、とても恥ずかしいのだけど夜中にこのマンガを読んでものすごく共感というか、その、泣きそうになったというか。ひーくんが、主人公の優しさを指摘するシーンはとても印象的だった。本来ならば気づかれるはずのない優しさであり、それが気づかれないからこそ主人公は、そして人は寂しいのだけど、ひーくんはそれに気づいて、それを言葉で伝える。これ以上の救済はない。