『ピエール・ブルデュー―1930‐2002』 ピエール・ブルデュー

ピエール・ブルデュー―1930‐2002

ピエール・ブルデュー―1930‐2002

 最初のインタビューで取り上げられてる『世界の悲惨』っていう本がすごく面白そう、邦訳はないみたいでしょんぼり。ブルデューの「ハビトゥス」という概念が表現されるようにした面接調査記録集。ハビトゥスというのは社会的に獲得された僕たち自身の行動や発言を生み出す原理のこと。ブルデュー自身があげている例でいえば社会的に上層の階層のいる人間になればなるほど、美術館に通う人の割合が増えるし、さらにその中でもブルジョアジーであるか教師であるかによって、好みの画家が異なったりするということ。ハビトゥスは性別だったり、生まれだったり、経済的な豊かさに左右されるから決定論的だという批判がよくされるらしいけど、ブルデューはそれに対してわたしは自由という幻想を打ち砕いたのだと反論する。決定論であることを認めているわけ。ただそういう制約の中にあることを認識するという自由はあると言ってる。他にも知識人に対する意見なんかも面白かった。続きも楽しみ。
 http://www2.educ.fukushima-u.ac.jp/~miura/WebAE/WebAE/Bourdieu/main.html