微声拳銃
西島大介「ディエンビエンフー」(「comic新現実―大塚英志プロデュース (Vol.2) (単行本コミックス)」)を立ち読みする。可愛いキャラクターをその残酷さのギャップが特徴的。記号的なキャラクター。ベトナム戦争のマンガだって聞いてたんだけど、ディエンビエンフーの戦いってインドシナ戦争が終わるきっかけとかだった気がする(世界史は微塵もやってないのではっきりとはわかんないんだけど)、登場人物もアン、ドゥ、トロワとか言ってるし。まあ「ディエンビエンフー」はベトナムが南北に分離するきっかけといっていいはずだからそういう含みがあるのかも。
まあそれおいておいて、最初にも書いたように西島大介の絵にかかればどんなものも本当に記号みたい。リアリティーがあるのかないのか、その真ん中でぶらんぶらんしているようなマンガ。手塚治虫のマンガを読んでる感じに近い。ただ、手塚作品の主人公はマジメなので、そのマジメさがない分西島作品の方がもっともっと記号化が先鋭化してる。冒頭の主人公のカメラマンとヒロイン候補の戦争という劇に対する反応の対比から、ヒロイン候補がカメラマンにナイフを投げつけるところまでほのぼのした絵で緊張感を出しているのはなかなか。ナイフがカメラに当たって命が助かるというお約束もいい、銃弾が十字架のペンダントに…(恋人がくれたお守りに…、胸に入れてたジッポーに…)ってのはいつになってもイカすぜ!面白そうなキャラクターも多いし(決して魅力的ではない)、続きが楽しみ。
- 作者: 岡崎京子
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2004/03
- メディア: コミック
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