ずいぶん遠くまで

 いつの間にか半年も経っていたけど、やってることは変わりません。相変わらずニコニコ動画を見る日々。

 「魔理沙は大変なものを盗んでいきました」にハマってから、実際に東方シリーズをプレイする様になるまでの道のりは険しいものだった。ニコニコ動画にはありとあらゆるものがばら撒かれているけど、それらのうちのたった1つの動画でもフックになれば、そこから世界は広がっていく。連想ゲームの様に動画の要素から広がる世界もあれば、ランキングからランダムに動画を選び、そこから他の動画群へと渡り歩いていってもいい。はてなダイアリーのキーワード程には統制されていないニコニコ動画のタグの機能の力を僕たちはもう少し信じてもいいだろう。昔のインターネットはこんなにも窮屈じゃなかった気がするんだけど、そんな時代のことを少しだけ思い出させてくれるような気もする。

 僕が最近ニコニコ動画でよく観ているのは「実況」シリーズ。その中でも今や有名な「ゆとりの友人にFF4を無理やり実況させてみた」シリーズは本当に素晴らしい作品だと思う。特に終盤で、必死にラストバトル向けの戦略を練りながらラストダンジョンを往くシーンは感動的としか言いようがない。それが正解か否かは別として、ここまでゲームと向かい合う経験を少なくとも僕はもう久しくしなくなってしまったし、おそらくそういう人はたくさんいるだろう。彼らの奇抜な発言も、ゲーム内のキャラクターへと向けられた愛であればこそ、共に見る僕たちは気持ちよく笑うこともできる。そしてそんな彼らに長時間寄り添うことで、取り戻されるものがある。
 他にもhacchiさんの実況シリーズにも同種の感動を覚えることができる。ゆとりシリーズの彼らのギャグや仄かに見える友情、hacchiさんの声の良さや編集能力の高さ、絵の巧さなど、どこが好きかと言われればそのように答えることもできるけど、何よりもやはり、彼らの真摯さにこそ打たれているのだと思う。