お久しぶりです

笙野頼子三冠小説集 (河出文庫)

笙野頼子三冠小説集 (河出文庫)



 最近は就職先の研修とか支店での歓迎会とか無為なことに忙殺されてた。正直、同期の人たちとは少し馬が合わないし、仕事も興味のある仕事ってわけじゃないけどまあ辞めるわけにもいかないのであと何十年間かこんな感じでだらだら働いて死んでいこうと思ってます。

 まあそれはそれ。先月、笙野頼子の『タイムスリップ・コンビナート』に導かれて、海芝浦へデートに行ってきた。一応解説しておくと、海芝浦駅はJR鶴見線の終点で、ホームが海に面しているというとても変わった駅。更に変わっているのが改札は東芝の事業所にしか繋がっていないため、東芝関係者以外は駅から降りることもできないって所。僕たち一般人にとってはただのデッドエンドで、電車が折り返し出発するまでの20分間、駅構内(と隣接してる本当にちょっとした公園)の写真を撮ったり、海を眺めたり、コンビナートに心を馳せたりして潰すしかない。コンビナートと言って想像するような重厚な景色ではなかったのは残念だけど、写真の様に渋谷から1時間程度とは思えないような景色を楽しめるし、やはりちょっぴり異質な空間に来た空気は十分楽しめる。そして、こんなへんてこな駅でいっとう素敵だったのは横に2台並んだ形式的に乗下車処理をするための簡易Suica。ピピッと連続でSuicaを当てて形だけは下車して乗車。

 その後も、小説に出てくるスポットを求めて浅野駅で下車。迷いに迷って「沖縄文化会館」で沖縄グッズをたくさん買って、着色料の味しかしない黄金のインカコーラを飲みながら満足して帰宅。今の砂を噛むように味気ない生活に比べればとても楽しい、そう旅だった。