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READINGS〈1〉建築の書物・都市の書物 (10+1 Series)
- 作者: 五十嵐太郎,メディア・デザイン研究所
- 出版社/メーカー: INAXo
- 発売日: 1999/10/20
- メディア: 単行本
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最近眠れないからエヴァを借りてきてずっと見てたんだけど、やっぱり最後の方になってくると終わるのが嫌だなあって思っちゃうんだよね。これはまさに『デス博士の島その他の物語 (未来の文学)』に書かれていた問題と同一だろう。「デス博士の島その他の物語」では主人公のタッキーが読む作中作『デス博士の島』の登場人物がタッキーの生活世界に侵入してくる。読み進むに連れて、作中作中の新キャラが生活世界にも登場したりとまあある程度パラレルな展開を見せる。さて、本を読み終えそうな段になって、タッキーは読了を拒否する。本を読み終えてしまったら、現前した登場人物達が消えてしまうから、と。そこで現前した作中作の登場人物デス博士はこのように言う「だけど、また本を最初から読みはじめれば、みんな帰ってくるんだよ。ゴロも獣人も」。その後のデス博士の「きみだってそうなんだ、タッキー。まだ小さいから理解できないかもしれないが、きみだって同じなんだよ」という発言を踏まえると、作中作を包摂するタッキーの世界、そして更にそれを包摂する僕達の世界という構造を読み取ることができて、そういう技巧上の面白さもさることながら、やはりその前の発言によって読書の虚しさを書いた作品として素晴らしいと感じた。読書だけじゃなくて、映画でもまあなんでもいいけど、そういうものを体験する素晴らしさを書いているようで、しかしそこから先へはどこへも行けないという現実逃避としての読書のデッドエンドな感じを書いている気がしてならない。
第9が鳴り始めた辺りで僕は「もうエヴァも終わっちゃうんだな」と不安にもなる。けどカヲルくんがこう呼びかける。「だけど、またDVDを最初から見始めれば、みんな帰ってくるんだよ」と。そしてまたサキエルが襲来する。使徒、襲来。