"O-Nest 10th anniversary music festival"@O-nest

 world's end girl friend(weg)を聴きに行ってきた。僕はそんなにライブなんて行く方じゃないのだけど*1、それでもあえて今までのライブ体験と比較すると特異な体験だったように思う。
 今までのライブが楽しかったのは、身体的な運動を伴う精神の昂揚によるものだったんだけど、今回のライブは強いて言えば脱-身体的な経験だった、そして夢のようなライブだった。
 「夢のようなライブ」なんていうメルヘンな発言はただちに補足しておいた方がいいだろう。音を聴こうと集中すると、いつの間にか聴覚の焦点がぼやけて、少し頭もぼんやりしてくる。大音量で優しい音楽の上に叫び声が重ねられて響き渡ってはいるんだけど、夢だとわかっている夢を見ているかのようなぼんやりした頭で、不思議な安心感を持ってそれを聴くことができる。なんというか、セピア色の古い外国映画の中でピアノを弾いている女の子が虐待されているような、そしてそれをテレビでぼんやり眺めているような。ぼんやりして身体の感覚ななくなる段階と、現実に引き戻されて*2音に集中しようと意識する段階が交互に訪れて、気がついたら終わってた。二度寝、三度寝って繰り返してる気分だった。
 ライブ中はずっと目を閉じてたんだけど、演奏が終わった瞬間は布団を引っぺがされて無理やり起こされたように感じた。音が鳴り止んで目が覚めるなんてね。なんとなく寂しい気分になって帰路につきました。

The Lie Lay Land

The Lie Lay Land

*1:片手で足りるくらいしか行ったことない

*2:人の身体に触れた時なんかにもびっくりして現実に引き戻される、自分の身体に気付かされるというか