『二〇世紀精神病理学史』 渡辺哲夫、『僕の叔父さん網野善彦』 中沢新一
二〇世紀精神病理学史―病者の光学で見る二〇世紀思想史の一局面 (ちくま学芸文庫)
- 作者: 渡辺哲夫
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2005/01
- メディア: 文庫
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<力としての歴史>に依拠する人間はその歴史への依存ができなくなったときに狂気に陥る。しかし、狂気を扱う学問である「精神病理学」は根本的に歴史感覚が不在の学問としてスタートしてしまった。渡辺哲夫は精神病理学に失望しつつ、失望仕切れないようなところが見えて、苦しそうだ。
- 作者: 中沢新一
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2004/11/01
- メディア: 新書
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だけど、本を実際に読むと、そう思っいてた自分自身が本当に恥ずかしくなった…。哲学者の中沢新一が、歴史学者であり、中沢新一の叔父である網野善彦との思い出を綴った本。『精霊の王』を読んだあとでこの本を読むと、あの本は2人の最後を繋いだ本なんだなとなんだか僕まで感慨にふけってしまった。最後の2人のやり取りは本当に、涙が零れてくる。いつもはわりと凝った装丁で、レトリックに満ちた文章を書いている中沢新一が新書というシンプルなメディアにストレートな文章で書いているのもまた、良い。
(なんか心情的によかった、ってだけなイメージで伝わっちゃいそうだけどそんなことはない。学者一家の家系だから、家族のことについて書くことで必然的に色々な問題にも触れることになっちゃうみたい。だけど、僕はただこの2人の人間関係がやっぱりすごく素敵だったんだな、ということを言いたい)
(id:kebabtaroさん(リファとかしてしまってすいません!)の所で紹介されていたから読んでみる気になったのだけど、この本に対しての最初の印象から感動するところまでほとんど一緒でなんだかわーって思いました!)