『ハチミツとクローバー』の6巻が出てたので即お買い上げ。発売日過ぎてるからネタバレするので読んでない人は読んでからどうぞ。
 
 竹本くんが「留年」、「青春の塔」ときてついに「自分探しの旅」に踏み切った。正直竹本とか僕の中ではカヤだったんだけど、6巻読んで少しだけ好きになったかもしれない。僕も高校んときにまあ規模は違うけど似たようなことをしたことがあって、学校をサボって自転車でどこまで行けるかなあって適当に遠くまで行ったことがあった。大阪から淀川河川敷沿いに京都の方まで行ったんだけど、やっぱり後ろを見ないっていうのは難しい。竹本は貯金の残高の心配をしてたけど(残高が半分になったら帰らないと、って)、僕も帰るのには同じ時間かかることと帰宅しなければならない時間とを考えて折り返し点を決めた。どこか遠くまで、って言ってもやっぱり家とか学校とかを捨てきれなかった。僕は学校とか家とか友達とかに少しウンザリして、だけど、やっぱり遠くへ遠くへ向かってても明日の学校なり心配する親なりを振り切れなかったから自転車を漕いでる途中でも折り返し点のことを考えてたんだろうと思う。竹本が携帯を置いて出て来てるあたりに僕はふっきった感を見た(たとえば自分が携帯を家に忘れた日の不安感を考えると)のだけど、貯金の残高を心配してるのを見て、ちょっとがっかりもしたし、共感も覚えた。竹本は自分を探してるけどそれはやっぱり戻る場所があって、そこでの自分を探してるだけ。その竹本の小者ぶりが少し好き。はぐや森田とのレベルの違いを曝け出した。まあはぐに声をかけられない竹本はそのことを自覚してるし、その辺も好きになった。