ウォウウォウ

 今年はたくさん更新しようとか思ってたんだけど、全然去年と同じペースだった。隣の部屋から女の子の泣き声らしきものと男の宥めるような声が聞こえてきています、こんばんわ。
 「新潮」で連載してる「都築響一夜露死苦現代詩」がとても面白い、2月号では「点取占い」を取り上げている。別に都築響一による鮮やかな分析、とかがあるわけじゃなくって、点取占いの遊び方とか、製造元の紹介だとか、現代ではどのような展開があるかとかわりとシンプルに紹介しているだけなんだけど、ただその紹介するアイテム自体が面白いから素材そのものの味をうまく活かしてると言える。点取占いのフレーズは元々の製造元の社長さんが「寝ながら、ふと思いついたことを書き留めてた」らしい。都築響一が言うみたいにまさに自動書記だなあ、挿絵の方もデザイナーさんだけじゃなくて、社長さんから従業員まで自分で描いてみたりもしてたらしい。都築響一の「ショウユ味の和製シュールレアリスム」ていう表現はものすごくかっこいい。点取占いをこういう風に見る視線を持ってる都築響一はやっぱりいいなあ。僕のお気に入りは「私はおかあさんが大すきだ ○ 9点」、このシンプルな絵のおかあさんの笑顔が本当にとてもいい、素朴さが溢れてる。ちなみにこのお気に入りは気分次第ですぐ変わるよ。
 点取占いは、ネット上でも検索すればフォロワーの人を見ることができて、それなりにそれっぽいものが多いんだけど、オリジナル程のパワーはやっぱりない。きっと、寝ながら思いついたフレーズを書きとめただけで、何も狙ってなんかないからだろうな。フォロワーの人は「ああいう風に、シュールで、ちょっと意味がわからなくて、だけどなんだか懐かしい感じがして…」ってオリジナルの持つ要素を抽出してそれにあった文章を作らないといけないから、オリジナルをはみ出すことはありえないし、オリジナルの何かを、永遠に取りこぼし続ける。