16歳ならともかく21歳にもなって(最後の一文に続く)

 「Soft」というバーに行ってカシスオレンジを飲み、青山の「LOOP」というクラブに行ってカシスオレンジとフレッシュバナナジュースを飲んで色んな人とお話をしながら琉球弁?を教えてもらったりした、もう忘れたけど。昨日は渋谷で歩いていたらたまたま知り合いと会って、一緒にご飯を食べ、2人でぶらぶらしていたらたまたまその人の友達(僕の知り合いでもある人)と会って、成り行きだけで上に書いたコースでお酒を飲んだり少しはしゃいだりすることになった。月曜日からこんなどうしようもない生活をしてしまった、楽しかったけど、まあ楽しかっただけか。
 最近始発に乗って帰ってくることが多い。以前は、読んだマンガや本の話をする友達がいて、そういう話をするのが楽しみでたくさん本を読んだりしていたのだけど、その人がもうどこかへ行ってしまったので本を読んだり音楽を聴いたりする意義を見出せない。そういう生活をしていたときは、本を読む→眠くなるの黄金コンボでわりと規則正しい生活をしていたんだけどな。
 別に昨日1日の行動から僕の生き方を帰納するつもりはないけど、まあ僕の生き方には主体性がない。他人の影響をモロに、ではなくてそのときそのときに少しずつだけ受けてきた。まあそこまでは他の人と同じなんだろうけど、その過程で自分の中での何かというものを全くつくってこなかった。元々芯がないのか、それとも皆がそれを作る過程を経ているのに僕がそれをしてこなかったのかはわからないけどどうも自分のやりたいこととかがない。政治学者である丸山真男の日本観が僕が僕自身に感じる印象とすごく似ている。座標軸が設定されてなくて、入ってくるものと対決しようともしなくて、ただそれらのものをただ雑居させるだけ。まあ更に強引に話を進めると、柄谷行人という人が『日本精神分析』という本の中で、そういう「中心の不在」とか「主体性の欠如」とか言われる構造が残っているのは異民族の征服が無かったからだって言ってた。その原因は日本が島国だったり、朝鮮半島があったりっていう単なる地理的な要因にあるとも。地理的要因が全ての状況の原因だって言う論をジャレド・ダイヤモンドという人が『銃・病原菌・鉄』という本で展開していた。現在先進国が先進国であり、発展途上国発展途上国であるのは、その地理的初期要因だけによるものだというお話。僕たちにはどうしようも出来ない要因でこういう世界の状況が生まれてて、それなら「平等」ってのは何だろう、最初の僕たちにはどうしようもない要因で生まれた状況を今になって必死で是正しているの?そんなどうしようもないことでこうなってるならそれぞれの国々がエゴイスティックに行動している方が自然な気がした。国連なりの世界機関が(それが有効に機能してるかは知らないけど)貧しい国に子供達を助けようとしてる、それはただ初期条件のエラーを今更正そうとしてるだけのように思えてそれはなんだか虚しいなあと本を読んだ後に思ったのを覚えてる。貧しい子供は助けられるべきだ。それはわかるんだけど、全部が全部、虚しいことのような気がした。えっとなんの話だったっけ、そうその初期条件。僕が生まれて育ってきた環境も、日本が外敵に征服されなかったのも、初期条件。だから今僕がこうなってしまってるのはしょうがない、ってことが言いたかったんだった。
 ただ、僕も一度だけ、僕の中に座標軸を認識した時期がある、好きな人がいた時期ということ。まあそれはその人を全面的に参照してつくったものだった。僕が時間をかけてつくってきたものじゃなかったからなのか、その人のことがどうでもよくなるとすぐに消えてしまった。日本だって、自ら作り上げてきた確固たる座標軸なんてものがなくてもその時々依存する参照軸は存在してる。今ならアメリカなのかな。日本は国として十分年齢を重ねてきてしまってる。僕もまあ21歳だし、本当なら良かれ悪かれ最低限の軸っぽいものができてないとダメな年齢だよね。だけど、僕にも日本にもそういうものはない。今更そんなものを持てとか言われてもどうしようもない。経済的に豊かになったからもっと大国としての自覚を持って行動しろ、アジア諸国の指導国となるべきだ!なんて言われたって彼女(国名はSheで受ける)は、きっと困ると思う。僕には彼女の気持ちがよくわかる。適当にその都度好きな人なり、尊敬する人なりを見つけて依存してけばいい。僕ももう面倒だからそうする。誰か、僕が意見を聞くに値すると思った人、あるいはすごく権力を持った人がこうしろ、と言えばそのようにする。アメリカが派兵しろと言えばそうする。ただ着いていく相手だけは間違えないようにしたいです。
 自分の「自分探し」論だけを書くのは恥ずかしいので無理矢理(本当に無理矢理)日本と絡めてしまいました。ごめんなさい。