スーベニア

スーベニア

 『三日月ロック』の時は、ものすごく実験的な曲があって、それがものすごく成功していたように思うんだけど(ただ僕が好きな曲があった、くらいに解釈してください)、このアルバムは1枚聴き通してもそういう面白さがなかった。「ナンプラー日和」にしても、なんとなく沖縄調にしてみました、くらいな感じであんまり実験的という印象はない(「ババロア」のピコピコと歌詞のマッチみたいなものがなくて、ただメロディーが沖縄っぽいだけな印象)。正直、完成度とかよくわかんない指標を持ち出すのは嫌なんだけど、その完成度*1というのはもしかしたら高いのかもしれない、と思った。今までのスピッツの総体のアッパーバージョンっていう感じがした。このアルバム聴いてて、これまでの色んな曲が浮かんできたよ。なんか本の帯とかによくある「○○思想の到達点!」みたいな、そういう感じのフレーズが似合う。好きとは言えないけど良いアルバムだなーと思った。今さらっとはてなで見た感じ皆が一押しの「春の歌」とかものすごく、スピッツの到達点!っていう感じがするよ(何回聴いてもサビで鳥肌立つ辺りすごいなあと思う)。なんか本の感想の時は変に気取って書いてるくせに(そう言われることが多い)、今回は前置きしてみたりエクスキューズばっかりだったり、自分でも歯切れが悪いなと思う。けど、本当に的外れなこと言ってる気がするし、怖い。

 全く知らない人にリファとか飛ばしていいのかよくわかんないけどid:min-changさんのid:min-chang:20050116に書いてあるみたいなことが言いたかった。こんな風に言語化できるのはすごいなあ。羨ましい。

*1:未だにこの単語がアルバム何かの批評に使われるときの意味がよくわからないのでそれっぽい感じで使ってみた、えへ